祈りの森 眠りの谷

「毎日の生活そのものが祈り」へ思い至った物語りです…⚮̈

眠りの谷(4)



(2021年9月27日 AM10:00)


『光に反応して羽化が始まる


AM7:15
大ちゃんのダンボール箱を
ゆーっくりと
ベランダの窓の近くへ運びました。


我が家は集合住宅の高層
蝶の餌になる花(の蜜)が周囲には皆無
どこから旅立たせよう?
2頭が蛹の間、迷っていました。
散歩で〝花園〟探しするものの
私が満足できる場所が無く
もし見つけたとしても、
運ぶ手立てが…


『三角に折ったパラフィン紙で
チョウを挟み込む→
空気穴の開いたタッパーなどに
詰めて輸送』
『虫カゴに入れて
飛び回れる状態で運ぶと
翅がボロボロに』


ビビりな大ちゃんには
耐えられっこない所業なり。


我が家から旅立たせよう
決心しました。

大ちゃんの写真、何枚かは
4分あまりの動画
音が入ると
私の声援が超やかましい(^^)


『羽化は蝶にとって、人生、
いや、虫生で最大のイベントです。
全力を振り絞って出てきます』


「大ちゃんガンバレ!」
「あせらず、すべらずに!」

ギョッ‼︎  別人(虫) ‼︎
これぞ〝完全変態〟です。


『お腹に入っている体液を
力いっぱい羽に送り込んで
羽を伸ばします』


窓側へダンボールの端を伝わって移動
翅を伸ばしやすいようにと
割り箸で作った〝つかまり棒〟
信用されてなくスルー ←被害妄想再び

養生テープがめくれてる(焦)
脚がくっついたらまずい!
直そうとして指を出したら


ちょ、ちょっと!
触らないでよっ!!
ふうに、避けられました(T_T)


ああ…
大ちゃんだわ…


「大ちゃん、本当にキレイ。
無事チョウになれて、良かったね」


「〝お別れ〟じゃない、
〝出発〟だよ。
ここが大ちゃんの実家。
いつでも戻ってきてね」


1時間近く
身じろぎせずに
外を眺めていた、大ちゃん

おもむろに離昇体勢にー
触角のお手入れをしています
いつそんな技を
知ったのでしょうか?

PM12:00 テイクオフ!

手すりの柵部分、するりと華麗にかわし
ベランダの外へ。
すぐに姿が見えなくなりました。


「いってらっしゃい!


大ちゃん、
大空を舞うこと
仲間に出会うこと
世の中を充分に楽しんでほしい…


約1ヶ月、
一緒にいてくれて
本当にありがとう(^^)


小ちゃんは蛹化6日目
大ちゃんの出発を
知っているのか、知らぬのか。
まだ眠りの谷にいますー


ぷか…⚮̈