祈りの森 眠りの谷

「毎日の生活そのものが祈り」へ思い至った物語りです…⚮̈

祈りの旅 チベット(15)

(2002年3月6日)
チベット・ラサホテルの3泊
朝、食欲皆無で食堂使用できず。
〝激頭痛で眠れない〟
これはもう一生続くのだ。
悲痛な思い込み。


ラサ、空港にて
ベンチで待機していると
横のベビーベッドで
1〜2歳くらいのお子ちゃまが
紫色の唇、グッタリ横たわっている。
お母さまと思しき女性が
体をさすりながら涙ぐんでいる。
「母親の里帰りで連れてきたら
具合が悪くなってしまったようです」
声をかけて状況を訊ねてくれた、
係員Rさんとはここでお別れ。
お互い丁寧にご挨拶(^^)
四川省成都へ向かいました。


成都に到着すると
…なんか違う…


唇と頬が桃色になった
さっきのお子ちゃまが
キャキャ♬
パタパタパタ…
目の前を駆けて行きました。


昼食後
(本場の麻婆豆腐。
超辛で一口も食べれず(*_*)
広東省広州行きの
飛行機到着待ち時間。
空港でー


係員Wさん
「いかがでしたか、ラサの旅は?」

「初めての中国で緊張していたけど、

Wさんの堪能な日本語のおかげで
何でも話しやすかった!
助かりました」
添乗員さんがWさんで良かった!
ありがとうございました‼︎」
姫と私、満面の笑顔で
感謝、感謝のあめあられ(^^)


W「良かったです。
…そこまで喜んで
いただけたのでしたら
ひとつお願いがあります。


私に免じて、
広州の空港で
お二人に不愉快な思いをさせた
女性係員を許してもらえませんか




↑(2)(3)
行きの広州、成都であったことー


Wさんの意想外の発言に
私たちが無言で固まっていると
追い討ちをかけるように、


W「この後、広州では
彼女が待っています」


…ガーン(T_T)…


Wさんは
広州ハプニング話を聞いた後、
会社に連絡して事情を確認した。
彼女ー広州空港での係員Oさん、は
私たちの到着時間頃に
もう一組、
お客案内の仕事を
入れてしまっていたとのこと。


「日本の大手旅行会社に
あなた方の苦情が伝わったら
たぶん彼女はクビになります。
私は働く仲間として
彼女に仕事を続けてほしい。
勉強をさせてあげたと思って
見逃してください」


クールで偏食、
神経細やかそうな
スネ夫くん似のWさん。

いつ伝えよう?

切り出すタイミングを
ずっとうかがっていたのかー



↑(4)
行きの成都空港で。


Wさん、Rさんと
同じ年頃であったので
旅の間に
仕事話で盛り上がった時があり。


「私たちの国は
去年やっと
WTOに加盟できた。
私たちはこれからなんです。
私たち世代がこれから
がんばっていかないといけない」


Wさんの〝らしく〟無い、
熱い言葉。
Rさんは黙って、ただ
頷いていました。


ー姫と私も
成都の空港、お別れ間際。
Wさんの言葉に
頷くしかありませんでした。


(2002年3月5日
姫、Wさん、私)


WTO:世界貿易機関


ぷか…⚮̈